月曜日, 12月 19, 2005

ますまてぃくぅー!

UOSSのMrTactのオモロイ提案で結構あっちこっちで物議を醸している予感。そもそも対数的な増加が何を意味するかとか訳わかめだと思うので、まずはその辺の解説から始めたい。

指数とは何か?!
え?っと。10^2x10^3はどうなってるかって考える時、底を10としてlog(2+3)=Log5だから10^5だっ!…とかやったよね? 乗数を沢山扱う計算で扱う算式ですわ。まぁ、自然対数の底(てい)がeでe=2.71828....とか覚えてねぇかな? 覚えてないですね。理系行かないと一生使いそうも無い概念ですね。高校でやる数学ですな。
このy=log a xをグラフにすると、大体形が時計回りに90度倒れたy=a^xとかの指数グラフと同じになる。なんつーかな…図示するとこんな感じ。(他サイトからパクります)
図を見ると判る通り、xが増加するとどんどんyも増加するにはするが…その増分が少なくなってくのね。この関数をUO等のシステムに適用すると、上方開放(つまり青天井)でありながら、ある一定値を越えると効果がどんどん少なくなると言うジレンマが発生し、結果としてある一定の値で増分を留めると言う結果を導く。
これがMrTactの言う「キャップ無しで数値増加によるPCのハイパー化」を防ぐ作戦の最も基本的な所だ。

これは初期UOから面々と続くシステム上の問題なんだけど、例えばステータス150でキャップした場合、最大の筋力を持つ物と最低の筋力を持つものの間には15倍の差が発生する。
現実社会においてどんなもやしっ子でも10kgぐらいの荷物を持ち上げる事はできるだろう。もしもそのもやしっ子の筋力をStr.10と定義した場合、最大の筋力を持つ人間は150kgの荷物を同じ様に持ち上げる事ができなくてはならない。
知能指数なんてものを例に取れば、石ころぐらいの賢さ(IQ80ぐらいとしようか? 知的障害と判断されない程度のバカさである)の人間の15倍のIQって…IQ1200になる…仮面ライダー本郷猛のIQが600なんだが…
鈍足の人間が100m例えば20秒で走ったとしよう。15倍速だったら2秒程度で走りきってしまう。(逆に言えば人類最高速のランナーが100mを9秒で走ったとして、最低速のランナーは9x15=135秒で走る…普通の人間だったら歩いてそいつ追い抜ける)
実際問題、よほどの重度障害持って無いと15倍の差なんて付かないんです。
その様な非現実的な設定がそもそもの齟齬の素なのだ。

ギャリ男はこんな事言ってるが…
クライマックスでは魔法のアイテムで完全武装し、超弩級のパラメータ状態になるようなゲームについて、リチャード・ギャリオットは「それはチートだ」と言う。彼の考えではRPGは自律的な一貫性、自律的な深みを持っていなければならず、それによって世界の物語性が表現されるのである。
そもそもステータスが10倍とかの設定が可能な段階で「超ド級」なんスけど。正直に言ってUO開発当時のギャリ男はスキル制のシステムを作成するのに経験が足りなかったと思う。
そのUO本来の「不味さ」を糊塗しつつ…つまりは成長の幅を持たせながら数値の幅を何とか現実的なラインに留め置こうとして今MrTactは対数的な数値の扱いをしようと画策している。確かにそうしてしまえば差は現実的なラインに留まるだろう(Y=log 10 Xを考えれば判るが、この場合X=10とX=100の場合における実際の出力Yは1と2になる。10倍の差を2倍差まで圧縮可能だ。底を弄れば適当に倍率を調整できる)

ただ問題がありまして。
対数的な数値の扱いって、恐らく誰も「ピン」と来ないのね。
数学スキーな人間であればある程度予想は出来ると思うんだけど、対数ってあまり人間の生活に直結しない数式なので…多くの「数学は親の敵のように嫌っております」「対数なんて見ると蕁麻疹が…」と言う人々からは「訳の判らないブラックボックス機関」と言う扱いを受けるであろう。これがゲームのシステムとしては不味い。
ゲームはあくまでゲームなので…頭のいい子にも、悪い子にも、フェルミ(有名な物理学者)にも山下清にも楽しめないといけない。RPGという「キャラクターを操って遊ぶゲーム」では、そのキャラクターがどんな奴か、能力はどんなもんかを把握できないと不味い点もある。(数値を無視して良いと考えるキャラプレイ同好家には朗報かもしれんな!)
対数的な数の扱いをすると他者との差分がどれくらいなのか、自分は多くの人々の間ではどの程度の能力を持っているかが判らないし、最終的に自分のキャラはどの程度の数値を目標にしていいか判らなくなるのである。実際10を底としてlog 75とlog 100って実際にどの程度の差なのか? (関数電卓で弾くとおよそ1.88と2になる) 電卓叩いても良いが、叩いて実際の差分を確認して「目指す値」を探るのは楽しい事か?! それはシステムに煩雑さを加えるだけで、ゲームの楽しさに寄与しないと思うんだよなぁ…実際今のシステムも相当単純な形になってるんだけど、それでもプレイヤーの内数十パーセントはその数値の意味を完全には理解していない様だし。正直システムはもっと単純でもいいと思う。
現在のMrTact案はバランシングという点では秀逸だが、ゲームシステムとしてはかなりの愚挙であると言えるだろう。個人的にはシステムの判定は四則計算内で片がつくのが望ましいと思う。対数取ったり積分したり微分したりするのはゲームバランスを取ると言う名目があったとしても…プレイアビリティーを損ない、直感的な把握を阻害する害悪にしかならねーんじゃねーかと。


どうせ内部関数とか変更したりステータスの「意味する物」を変えてしまったらゲームシステムとしては完全な別物になるだろう。今回もしもMrTact案が通るなら、AoS以上の変化がソーサリアに訪れる事になるだろう。
そっただUOの根幹システムであるステータス値も再配分させて完全な別システム作成しちまった方が良いと思うのね。Rune Quest(ベーシック ロールプレイ システム)流用して作り直すべぇよ。少なくともUOの(今となっては)負の資産であるステータスシステム使っている内は「見やすい形で/見通しの良い方法で」数値をコントロールするの無理だ。

1 件のコメント:

  1. はーい、数学ダメダメ人間でーすorz
    元々ダメな上に数学から離れて久しいので、対数だの何だの言われてもチンプンカンプンなワケでして…。

    現在他のレベル制MMOに浮気中ってのもあるんですが、単純なシステムも捨てたモンじゃないなぁと感心しております。
    「コンセクが何秒効くから、効果がある間に何発殴れて総ダメは…」とか考えなくて良いのでとっつき易いですね。

    計算式が複雑になろうと、「見た目」でパッと分かれば何の問題も無いのですが……。

    頑張れMrTact!!

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