さて、今UOに導入しなければならない仕様はバランシングの名の下にあらゆる武器の均質化を計ることでも、市場経済とか訳の分からんものを導入することでもなく、食の改善である事は言うまでも無い。
東洋では太古の昔から「衣食足りて礼節を知る」と言う。礼節=徳の一種であるならば、衣食に関する仕様定義こそが実は徳の実装に先駆けて行わねばならぬ改変なのである。
本来なら性欲も充足するべきではあるが、R-18指定になってもアレなので、それはそこはかとなく無視である。
で、第一弾の改変としては・・・まず、空腹度を可視化するべきであると。
何もターゲッティングした時に「空腹度:3」とか出せって事じゃない。ちょっと小腹がすいた時に頭上に
*ぐー*
とでもメッセ出せばいい。
ここで、貴方は「ああ、腹減ってる。飯食わなきゃ」と飯をほじり出してもいいし、「武士はくわねど高楊枝ィ!」と戦闘を続行してもいい。貴方は自分のキャラを拒食症の人にしてもいいし、必要以上に飯を食う大食漢にしてもいい。メッセが出た後の処遇は各人好きにしろと言いたい。実際これまでも極限空腹状態でずーーーーっと戦闘してた連中が多いソーサリアである。いまさらちょっとやそっとの腹減りで倒れるのはおかしいのである。
と、同時に。
貴方は自分のキャラが「特別であること」を諦めねばならない。貴方のキャラは唯一無二のサイヤ人でも悪魔でも幽霊でもなく、人間、あるいはエルフなのである。システムは冷徹にそのキャラをその種族として扱い、「僕のキャラは腹減らない人なの!」というわがままを言うことができなくなる。どうしてもその設定を重視しなければならないのであれば、順当に何かの回避策(=言い訳)を設定しなければならない。それが面倒だったら普通に「あ、腹減ってるからそろそろ飯にしよう」と発言してしまえばいいのだ。
また、人知れず戦闘中に飯を食い、剣戟などの音にまぎれて咀嚼音を隠さねばならない。
ていうか、そんなもん各人好きにしろと。他人から拒食症と呼ばれる可能性をそんなに事大に考える事は無いと思う。
でだ、この空腹度を導入するとだな・・・
1.一定時間に食堂/酒場等に人が集まりやすくなる
PC酒場でも何でもでかけりゃいいさ。あるいはソーサリアの各所に点在する宿屋やレストランに出かけてもいい。とりあえず一定時間に人を特定箇所に集める事が可能になる。そこで行商するなり武器防具の修繕させるなり、動物のエサ屋でもやればいいのだ。どーせ10分20分ぐらいしか人は集まってないだろう。空いてる時間はもちろん仕込だ!
これはプレイヤー間のコミュニケーションを活性化させるかもしれない。
2.シェフの復権
作り置きの飯が旨い訳無いだろう? とりあえず熱いもんは熱いうちに、冷たいもんは冷たいうちに。料理は時を移さず、だ。安い店探すも、能書き垂れたがりのK原Y山キャラのクラブで説教くらいつつ飯食うも良し。そんなもん各人の好きにしたら良い。
今は狩場と町の間では戦闘関係リソースの補給/メンテナンスしか行われていないが、そこに食の要素を付け加えることができれば、戦士連中に生活のリズムってもんを与えることもできるに相違ない。
3.味を追求したくなってくる
人間はわがままな生き物である。単純にリソースの補給という定義を作ると、リソースの補給を最低ランクのもので済ます可能性が高い。要するに安い店でパン咥えておしまいと。
しかしそこに「味」という概念が加わるのであれば、より味の良いものを求めてその店を訪れる客も出てくるだろう。
今、PC酒場は酒場でしかない。レストランはおそらく皆無であろう。
もしもPCレストランが生まれるとすれば、生産物(=食い物)に高品質タグ以外の何かの要素を持たせ、それがその店のスペシャルであることを喧伝しなければならない。今一部のPCの間ではドラゴン肉の料理というスペシャリテが存在するが、それは残念ながら他の肉を混入させても判別不能になるという弱点を持つ。そこで、効果は何も変わらなくても、ドラゴン肉はドラゴン肉であるとシステムが分類するのであれば、スペシャリテは成立する。実は私もドラゴン肉関係の本とか書いているが、ドラゴン肉=不味いとしている。不味いとしているにもかかわらず、それを旨く食べる為に手を尽くすのが料理人であろう(その実態が「らぶやん」に出てくるジャモジさんみたいな感じだったとしてもだ!)
ドラゴン肉が不味いのであれば、何の肉が旨いのか・・・こういう話は間違いなく出てくる。まぁ、順当に「美味しい」のは豚肉であろう。ソーサリアには落葉樹多いし、豚さんは見事に放牧されているのでかなり旨い肉が取れると見た。もしもプレイヤー側に相応の知識と「妄想エンジン」が備わっているのであれば、秋の豚が旨いとか、冬場のマス、カレイ、春のたけのこ等旬の食材に想いを馳せ、それが旨いと感じる事もできるかもしれない。実際にそれを食して味が再現されなくても、プレイヤーの脳裏に蠢く「経験則」が味の要素を補完するだろう。
もちろん、UO開発側で「何が旨いか、不味いのか」を定義しても良い。
4.食堂を機軸とした経済活動
ぶっちゃけ、ソーサリアでは養豚業者も居ないので、実質上料理屋は皆ジビエ屋さんになってしまう。すると必然的に食材はハンターからの調達となり、そこに(上手くしたら)経済サイクルが発生する。或いは肉屋にジビエ関係のクエストを導入し、そこから料理人が肉を購入するという流れになっても良い。
5.新しい職業「戦闘料理人」
もしも敵を倒す前に「その肉が旨そうか、そうでないか」を探る事ができるのであれば・・・或いは敵を倒した後に料理人としての解体の腕前が必要になるのであれば、戦闘をこなす料理人という職業テンプレが新しく生まれる。彼らはただ強くあるだけでは飽き足らず、如何にして旨い食材を調達するかに長けたプロフェッショナルである。「料理人スキル」+「解剖学」でSpS(Special Slash)として「三枚おろし」「刺身化」「血抜き」「解体」などの技を行使すると。もちろんお馬さんに「刺身化」で止めを刺せば「馬刺し」の完成である。ドレッドホーンを刺身化したら「ドレッド馬刺し」である。
悪魔を何とかして旨く皆に食わせたい・・・そんな面白いキャラができるなら、私は自ら進んでその道を極めてみたい(どう考えても邪悪な人です。本当にありがとうございます)
でも、Doomのタコを刺身にしてやりたいと思った事はありませんか。(私は多々ある)
今、十分に複雑化している仕様を弄くり倒して、今ぜんぜん掘り下げられていないスキルを蔑ろにするのはイカンと思うのである。むしろ今粗略な扱いされているスキルをどんどん掘り下げましょうよ、と。
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