月曜日, 8月 20, 2007

ある事件を追ってゐた

Llama.net周辺がアクセスできなくなっている昨今、如何お過ごしでしょうか?

ここ1週間ぐらい、実はある方向のニュースを追いまくっていた。
そのネタっつーのが、コミケ襲撃関係ネタである。久々に本格的にヤバいネタであり、すこーし興奮している。

事は秋葉原解放デモとかと言うちーと「何から解放するんだぜ?」的なイベントから始まる。
運良く私はその日に秋葉での仕事なんぞ無かったわけだが、知り合いがちょうどその日にカフェソラーレでイベントやるとか言うので、「まーなんもないと思うけど、気をつけてねー」的な話をしたのをよく覚えている。
この解放デモってのがなんか独特で…そもそもアキバ系のオタと言うのは「企画されたイベント」に乗っかる事はあるが、イベントを企画する系統の行動力は果てしなく低いと思われるわけで。確かにWindowsの発売日に「MACは地球を救う」とかプラカード持って練り歩いたり、Core 2 Duo発売日に並んだりはするが、自発的な集団行動言うのは非常に少ない。近年ではハルヒダンスとかで集まる事もあるようだが、どっちかって言うとアキバ系の連中と言うより、その周辺と言うか…ネイティブ・アキハバラー(?)ではない連中が集まって遊んでるように見える。

少し本筋とは離れるが、そもそもアキバって場所は「色々な趣味人が集まる」場所なのだ。
趣味趣向が多少は重なりながら並列している環境であり、正直「オタはオタだが種類が違う」連中が肩を寄せ合ってあの地域に集合していると言う状況が「オタクの町、アキハバラ」の現状である。中には私のようなPCハードウェア大好き(しかも偏向度数が半端ない)とか、エヴァとかのアニメマニア、軍関係マニア(御徒町に軍曹品で有名な中田商店があるからか?)、エロ系(エロゲ系統と実写関係は微妙に生息域が異なる)、音響機器系、電子工作関係、無線マニア(ラジオライフとかの)、鉄…そんな所謂「オタ」が生息する関係上、互いに相手との距離を保つと言うか…相互非干渉的な不文律が存在する。同じカテゴリー内に存在する連中の間では、空軍がリーフパターン使うわけねーだろボケとか相互にマニアな突っ込みを入れる事はあるが、そんな人たちも私がXeonマニアだと知った時に半可通な意見で批判する事はないし、私は私で彼らがどんなにありえない格好をしていても(例え本物のナム戦装備で街中を闊歩していても!…本当にあったんだマジで。防弾チョッキまで本物着てる人とか!)、にこやかにほほ笑んでとがめ立てはしない。

その相互不干渉と言うか、他人の趣味にとやかく言わない・関わらない傾向があるので…そもそも他の趣味の人間と連帯してどーとかいう発想が出てくること自体が不思議に思えた。

で、解放デモだが…つつがなく終わったらしい。
無論、「 糸冬 了 」と言う意味でだが。
なーんつーか、作戦目的が明瞭ではない作戦は失敗しますわな。その時は「作戦首謀者はアキバっつー場所を知らないのではないか?」と思ったりもした。(その後明かされる情報によれば、やっぱり「判ってない」連中が主導したらしい…)

その後、話は急転直下する。
デモ前からも色々と批判を浴びてた連中だったが、どーも本物の革命関係者(要するに、サヨク)が紛れ込んでいたとか。しかも呉 智英センセイの言うところの「珍左翼」ではなく、左翼でもないサヨクっぽいのが。
一応アキバの隣町であるお茶の水には明治大学なんぞがあり、そこでは旧態依然としたサヨクがアジビラなんぞを作ったりしていた(明大の建物新しくなってからは見かけなくなったが…)
そっちの人(サヨク系明大関係者…の、難民)かなー等と考えてたら、どうも本丸である法政大学方面からの参戦だとか。

で、そいつらが今回のコミケで肉体言語(苦笑)的な手法で批判者を総括させるとかいう話が出て来た訳で。
Mixiでその相談やってたと言うのも中々興味深いが、その手法とか計画書が流出したと言うのがまた趣深い。結構Mixiとかのクローズコミュで話してた内容がスネーク(内通者)によって公にされると言う事件多かったと思うのだけど…(Avexの社長だかの話も即効漏れてたよなぁ…)
知ってたら、やらんよな(笑) 知らなかったのだろう。

で、今回もスネークによってネタがばらされ、その後警察に通報されて乙ると。
この辺から見れ。→ ttp://obiekt.seesaa.net/article/51835719.html

で、捕まったり説教食らう連中には「そのまま詩ね」とでも声を掛けておけば良いが、ちーとこの事件は色々な意味で考えさせられるものがあるなぁと。


今、世間はオタクと言う連中を色々な意味で「巻き込もう」としているように見える。
アニメや漫画のカテゴリーは随分前から「萌え」と言うキーワードで染め上げられている。
メイドカフェなんぞも経営の実態は「お水」商売と同根だったりすることもあるし、麻生さんもどーもオタク層に媚売ってる気がせんでもない。様々な連中が「オタク」と言う未知なる鉱脈にエンヤトットとつるはしを叩きつける中、ついに萌えとかそういう線から最も遠いであろうサヨクまでそっち方面に鉱脈を求めてきたかと。
これはある意味で、オタクと言うカテゴリーが一般社会に「溶け込んできた」と言う事なのだろうか?
もしもオタクと言うカテゴリーが一般化(メジャー化)しつつあるのなら…これから「派閥闘争」的なパイの握り合いなどの部分にもオタクが係る事が増えてくるんだろうなぁ。

昔誰かが言っていたが、マイナーなネタはマイナーであるからこそ面白い。サブカル的な存在と言うのはメインがあってこそのサブである。
本来的にサブだったものがマイナーである事を辞めてメジャーを志向せざるを得なくなった時、いろいろな意味で変革が起こる…いやむしろ「起きてしまう」。
サブであるからこそ「みそっかす」扱いで受容されてきたものが、メジャーになる過程で受容されなくなって行く。その過程で毒をそぎ落とされ、洗練という名の一極先鋭化が進むとその世界が面白くなくなって行くんだよなぁ…多様性が失われると言うか、何と言うか。
今回の事件、ある種のターニングポイントの様に思えてしまう。
一気に変革が進む訳ではないだろう。変化はジワリジワリとやってくる。

かつてPCパーツ業界ではマイナーからメジャーに変わるその過程で「ベンチマーク至上主義」が台頭し、コストパフォーマンスにだけ執着する連中が増えてVGAにしろCPUにしろ二大巨頭のみが生き残ると言う惨事が発生した。結果、市場は減退の道を歩み続けている。
私のような人間からすると、これは非常に面白くない出来事である。今自作業界はじわりじわりと滅びの坂を下っている最中だ。


頂上なんてほんの一瞬。気がついたら下り始めている。
新興宗教ブーム(1990年代)もそうだった。
今回の事件で、私はオタク文化の「滅びの予兆」を感じ取った。