水曜日, 6月 14, 2006

資料:真実の傭兵

世間の皆様においては「傭兵」と言うと高給取りで凄まじい戦闘能力を保有し、眼光鋭く街中でも油断しない…そんな姿をイメージされることと思う。ぶっちゃけ傭兵と言って思い浮かべるのはエリア88の外人部隊やフランス外人部隊、あとはハードボイルド小説の主人公とかじゃないかと。
参考リンク

えーっと…どっから話そうかな。
まず、フランス外人部隊は傭兵ではない。ありゃ外人を戦力として正規兵の組織にぶち込んでるだけであり、厳密な意味では正規兵である。前回のエントリーでも紹介した「高部」と言う現役傭兵の話を読む限りでは、そもそも傭兵さんは切り捨てオッケーの組織であり、まず階級章とかそういうのも無いんだそうな。(階級が存在した場合、軍隊では下位の連中に対する指揮権が発生する。傭兵が正規兵に死ねとかの命令出せると困るので、傭兵には階級が無いんだとか…)

で、高給取りであるという話。
高部氏は明快に回答している…傭兵部隊に高給支払える国は傭兵なんて雇わずに自国の兵士の強化を行うと。
金が無いけど戦力が欲しくてどうしようもない時に、傭兵は雇用されると言う。その高部氏も戦争に行ってない時は日本で住み込みのバイトをして戦争しに行く費用を貯めたんだと。旅館でバイトした事もあるんだそうな。
戦争では儲からない(=給料安い)から、日本でバイトして戦争に行くと…

んで、傭兵と言うと厭世的で孤独な感じがすると。
それも無いらしい。普通に職業として兵士を選択しているだけで、ちょっと「食い扶持が違う仕事」をしているだけだって感じなんだとさ。そして軍隊とかいう「組織」は何よりもチームワークが大事なんで、コミュニケーションが下手で孤独を愛する感じの奴はダメなんだと。彼の著作の中で傭兵部隊に入ってきた気さくで明るいドイツ青年が実はネオナチ構成員だった…なんてエピソードもある。兵士だからボトムズのキリコみたいな仏頂面ってのは謝ったイメージなのかもしれない。

前出の通り給料安いから、休みの日に町に繰り出してもいい店で酒飲んだりできないんだとさ。いつも最低ランクの酒飲んで、バカ騒ぎするらしい。面白いのが…冷たい物や甘い物に飢えているので、もし可能なら街に戻った時に皆でパフェとか食うらしい。
ひげ面の歴戦の傭兵が。
クリームでひげを真っ白にしつつ。
補給物資は正規兵の方に優先的に配布されるので、下手すっとタバコすら手に入らない事もあると言う。そんな状況下だから嗜好品はまず口に出来ないと。甘い物や冷たい物なんてまずありえないと。だもんでパフェとか食うのが非常に楽しみなんだと言う。
また、オフの最中に気を高ぶらせるギャンブルやったり、喧嘩したりと言う事も無いんだって。
戦場から帰ってくると、歴戦の勇士でさえ色々な物音にドキっとするらしい。こち亀でもギャグでやってたが、日常で溢れている各種の音が、トリガー引き起こす音に聞こえてしまったりして困るんだそうな。そんな気が張り詰めている状況から一気に「気を緩めてもいい状況」に移行すると、できる限り気を緩めるべく酒をかっくらって気を失ってみたり、パフェ食ってみたり、女買って(売春婦だな…)寝てみたり。女性が居るって事自体が、彼らにとっては「ここは安全だよシグナル」になるんだとさ。無理やり「ここは安全」シグナルを受信しないと気が休まらないんだってよ。
なお、酒の勢いで正規兵(大抵の場合、傭兵とは仲が悪い)とかと喧嘩すると、折角の休みを取り上げられて、戦線に戻されちゃうんだって。「わざわざ戦争しに来たお前らだ、平和な所なんてつまらないんだろう? すぐに戦場に戻してやるよ!」とか嫌味言われるんだと。そういう事を考えると、彼らが町で騒ぎを起こしたがらないのも判らないでもない。

ほら。(何?)
戦士やってばっかりのこの私が「食い物の味の再現」にこだわる理由がここにあるじゃん。
流石に実際の戦場に出かけたことは無いが、高校時代はよく山登りとかしたもんでありまして。そういうことして疲労困憊した後の甘い物って凄く美味しく感じるんだよね。

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