エーテルはその昔、光を伝達する要素として考案された物質である。何かの力を伝達するにはそれを伝える媒体が必要・・・つまり水や空気が無ければ(真空であれば)音も温度も伝達されず、音や温度の伝達媒体は空気や水であるのと同じように、光も何かの媒体を用いなければ伝達できないに違いない、今は技術が発達していないのでそれを検出できないが、その存在を仮に「エーテル」としておこう・・・こんな感じ。
光はどこにでも到達するから、その物質(エーテル)は世界中に満ち溢れているに違いない。空気や水の中でも光は通じるのだから、それは空気や水と互いに干渉しない方式で世界に満ち溢れているに違いない。空の星が動くのはきっとエーテルの流れに乗っているからに違いない。
・・・この様にしてエーテルはグレンラガンの気合であったり、聖闘士星矢のコスモ、或いはグランゾードの魔道力の様な「何でもできる便利な仮想物質」となった。
そこかしこに満ち溢れ、実態ならざる「データ」を転送する媒体・・・ロバート・メカトーフ氏は昨今のネットワーク隆盛時代を予見し、ちょっとしたお茶目を混ぜ込んで実に軽妙なネーミングをしたものであるなぁ。
さて、ここではイーサネットの話は適当に切り上げて、RPG等のネタで用いられるイセリアル等の歴史について更に筆の赴くままに記載してみたいと思う。
最初期のRPGであるD&Dにもイセリアル/エーテル等の用語は大量に含まれていた。D&Dの世界概念は現実世界で仮説として取り上げられていた概念をそのままぶち込み、かの世界観の根幹を成す「プレーン」概念と連結させてしまったのである。
D&Dの世界は非常に多層の概念が渾然一体となって形成されている(てきとーに作った設定をてきとーにくっつけ合わせた結果と思われる)為に非常に分かり難いのであるが、UOプレイヤーに分かりやすい感じに再構築して話をすると、大体こんな感じになる。
世界はプライム・マテリアルプレーン(主物質界)と精霊界(地水火風)・・・まーなんと言うか、色々な「ファセットのような」独立した世界を包括した存在として構築される。その世界全てに半分足突っ込むような形でイセリアルプレーンが存在している。別の世界(ファセット)に移動する為には(ムーンゲート潜る様に)イセリアルの世界を通り抜けるしかない。(それらを全て包み込むようにアストラルプレーンなんつーもんも存在するが、そこは神々の領域なのである)
上記の主物質界・精霊界・イセリアルの世界をひとまとめにして「インナープレーン」と云う。
また、イセリアルプレーンにも生物(?)が存在するが、エーテルで形作られたこれらの存在は物質と干渉せずに存在できる為、通常武器ではこれらの存在にダメージを与える事ができない。
で、神様(D&Dではイモータルと呼ぶ)はこの世界での覇権を掛けて5つの組織に属して戦ってたりする。5つの領域はそれぞれ「物質」「エネルギー」「時間」「思考」「エントロピー」となっている。言うなればUltimaシリーズに出てくるタイムロードなんて名乗ってるおっちゃんも、この「時間」の領域に住んでるイモータルの一人(一柱?)なのかもしれない。FoAなんかは「エントロピー」の領域のイモータルの走狗だな。
イセリアルはインナープレーン構成の際の「充填剤」の様なもので、それは世界のありとあらゆる所に偏在している。互いに少しづつ重なっている部分もある為にこちら(主物質界)からイセリアルの世界やイセリアルの連中が垣間見える事もある(これが霊現象みたいなものになる)
イセリアルからの攻撃は非常に厄介なものである。ちょっかい掛けてくる連中はちょっかいを掛けるだけの具体的方策を持つのに対して、こっち(PC側)はイセリアルへの干渉手段を殆ど持たない。一方的に攻撃されかねないのである。バルディオスの亜空間からの攻撃みたいなもんだねぇ。
UOにおける「イセリアルマウント」は恐らくイセリアルプレーンから召喚した「イセリアルの生物」なのだと思うが、そしたら主物質界の人間は騎乗できないんじゃないかなーなんて思ったりもする。その辺はご都合主義というか適当なのであろう。世界全部がD&Dを手本にしていると考えるのはD&D原理主義者の悪い癖なので何とかしよう。
もう一つ、UOで非常にイセリアルと関係性が強いと思われる呪文体系は、スペルウィービングであろう。これはイセリアル・ボヤージュ・・・あの変身してタゲ取らない様にする呪文の存在だけではない。物理防御に影響を受けない攻撃方法・・・つまりワード・オブ・デスはイセリアル方面から敵に攻撃する呪文なのではないかという話。エルフの連中はきっとイセリアル世界の話に詳しいぞ。
0 件のコメント:
コメントを投稿