水曜日, 1月 28, 2009

盾と武士と回避とブロックと

盾に命中プロパが付かなくなって、随分と時間が経過している。

その頃の記載が今でも残っているのだが、今日はもう少し踏み込んで「回避とブロック」について考えてみよう。

現在の盾の「防具としての」仕様はひどいもんで、個々の盾の(種別/形としての)個性というのは、たった1しかない属性抵抗値の付く場所と、重さぐらいのものである。つまり重い盾を持つのはロールプレイとか好き嫌いの範疇でしかない。能力的な部分ではこだわれないのである。
AoS以前はそれぞれの盾にブロック率などの基礎プロパが存在し、重くてでっかい盾は防御率も高かった・・・なんて話も聞いたことがある。
また、現在のUOでは「回避(武器スキルと回避プロパによる命中判定)」と「ブロック(盾スキル等による物理攻撃の無効化)」の2種類の攻撃無効化方法により、全般的に攻撃が命中しにくくなっている。スキル値が同じ盾スキルGMのキャラ同士だと、互いに攻撃命中率は35%しかない。

なんかね、上手い方法で武士スキルと盾スキルの共存とか、盾の個性化できないかなと思うんだ。

で、私案なんだけど・・・盾で防御可能なポイントを設定し、ブロック時はそのポイント分だけダメージが減衰するなんてのはどうだ? 防御確率は今までと同じとし、今まではどんな盾でも一律「物理攻撃完全無効化」だったのを改変すると。当然重い盾はその分多くのダメージを吸収し得るし、その代わりブロック率は低くなる。こうすることで完全無効化率は減少し、少し戦闘はタイトになる。(これ、AoS前仕様の回帰という事になるんかなぁ?)
武器でのブロックの場合も同じように「防御可能ポイント」が設定され、これは重い武器(=低速攻撃武器)ほど大きくなり、みんな大好き高速攻撃武器は防御効果が薄い。

少しデータ作ってみよか
+カオス/オーダー/ティアカイト/バックラー/ウッドゥンシールド (重さ5)
ブロック率-10% / 防御ポイント10P

+ヒーター/ブロンズシールド (重さ8)
ブロック率-16% / 防御ポイント16P

+メタルカイトシールド (重さ7)
ブロック率-14% / 防御ポイント14P

+メタルシールド (重さ6)
ブロック率-12% /防御ポイント12P

結構同じ重さのシールドがあるので、形状により少し変化出そうか? 個性出す為の処置で没個性化しても面白くないし。
丸盾は回避能力を向上させ、方形のシールドは防御ポイントを増す事にしよう。

+カオス/ティアカイト/バックラー/ウッドゥンシールド (重さ5 丸形)
ブロック率-5% /防御ポイント5P

+オーダーシールド (重さ5 方形)
ブロック率-10%/防御ポイント10P

+メタルシールド (重さ6 丸形)
ブロック率-6% / 防御ポイント6P

+メタルカイトシールド (重さ7 方形)
ブロック率-14%/防御ポイント14P

+ブロンズシールド (重さ8 丸形)
ブロック率-8% /防御ポイント8P

+ヒーターシールド (重さ8 方形)
ブロック率-16% /防御ポイント16P

武器に関しては、重量x2%のブロック率ペナ入れて、防御ポイントは重量と同じポイント・・・ダメだ、カトラスが攻撃速度速いのに重過ぎる(今知った。なんだこれ?) これは重量設定をそもそも変動させないといかんね。
基本、武器によるブロックは盾に劣るという形にしたい。

防御ポイントは鎧による減衰効果前のダメージを直接減少させる・・・とするなら、防御ポイントもう少し高くしても平気かな? (但しPvPで影響出る可能性がある)
盾スキルを使用して「ブロック」に成功した時は、防御ポイント分のダメージを低減しますよと。しかしこれだけだと盾の効能が余りに低すぎるので、Elder盾だったら防御ポイント10%増し、レジェンダリ盾だったら防御ポイント20%増し・・・等とすると少しは浮かばれるか?

武士スキルは回避能力を向上させ、さらにブロックポイントも上昇させる・・・という設定なら武士盾構成を緩やかに弱体化できるのではないだろうか?

また、盾に付随するプロパは以下のように再定義する。

命中プロパ
ブロック率にそのまま代入。命中+15だとブロック率が+10%になり最大45%確率でブロックしちゃうが、そもそも減衰ダメージ量少なければ意味無いから平気だろう。
回避プロパ
防御ポイントに代入。

いずれも武器の攻撃/回避には影響しない。

なんか一部のレア盾が40%確率で30Pのダメージ減衰という「ちょっと待てコラ」的性能を持つようになってしまうが、盾持って盾スキル使ってる奴にしか効果ないから、まーいーか。(どーしてもってんなら、鎧によるダメージ低減効果前に、盾関係のブロックによる「被ダメ割合軽減」効果としても良いだろうし。最大でダメージの8割防御・・・ちょっと強過ぎるかな? 乗りドラ効果と重複しないって異にすれば良いのかね?)

火曜日, 1月 27, 2009

お互い見落としがあるかも知れないが・・・

ブリタニア資料館でのアレがロックされてしまったんで、かるーくこっちに。

確かに私も見落としはあるかも知れないが、彼の見落としと私の見落としの方向性は非常に重代な差になる可能性がある。

私だって全部を知ってるわけじゃない、だが、知りうる限りの情報で現在のUO戦闘関係仕様は「過剰」であると判断している。もしも見落としがあっても過剰であると言うことは変わりあるまい。

しかし、現状で十分/あるいは不足だと主張する人物が仕様の見落としをしては話にならない。見落としていることを知ることで、状況は「過剰」に傾く可能性がある。主義の根幹が崩れちまうんだ。


そもそもあの人物、どーーーも戦士でダカダカ戦っている様には見えないのだ。
回避低下プロパの有用性はずいぶん前から喧伝されてるし、今時戦士やっててその事に気がつかない時点でダウト臭い。また、敵ターゲット連打で敵固定って話も(実は自分でもこの事忘れてたんだが)パラゴンと同じAI持ってるキャラに対しては無効なんだな。これも経験してれば分かりそうなもんだが。
それで「魔法使いによる支援」とか、バードの支援・・・そもそも沈静化と弱体化だけ入れてるバードって「PT用の弱構成」じゃないの? PTの為に全力尽くすのが当然系の発言してる人々の主張としてどうなの? PTの時にはPT用の弱構成キャラで全力尽くすって俺書いてなかったかぁ?

どーにも論敵(?)が十分に戦闘仕様を理解しているとは思えない。と言うよりPT組んで戦闘しまくっているとは思えない。実際やってるのかもしれないが、何も考えずにPT参加するのと、PT組織して実際に被害に会わぬように、戦場の特性や経験の差、装備の違いに留意して「戦闘指揮」するのは経験としてまるで別種の物なのだ。戦闘指揮経験はあまり無さそうではある。 (そんなもんはプレイヤースキルとは言わない。単純に経験の差だろ・・・そんな定義不能なモヤモヤしたものを重視するようなUOライフは送っていないである!)

そんな状況で改革案出されても、なぁ。



おっと
戦闘補助系プロパ発動の為には武器当てなきゃいけない・・・なんて話出てたけれども。
スキル120の敵にもスキル0のキャラが7%程度攻撃与えてしまうのがUOの命中判定。
スキル110で120の敵を叩き、武器を2秒振りして10秒間敵に攻撃当たらない確率は0.54^5=多く見積もっても5% 一発でも攻撃当たる可能性は95%ほどで、武器に20%程度の補助プロパ付いてたら、ざっくり考えて19%程度は効果が発動する(実際には低下判定が入って以降の命中率なども変わってくるし、効果がひとつとは限らない。効果程度は低く見積もってこの程度) しかもマナ消費無しだ。
UOの戦闘で「一発の勘定」しかしないのは、あまり意味を持たないぞ。

木曜日, 1月 22, 2009

SpMがSpMじゃなくなっちゃってる理由

・・・発想が貧困だから(ぼそ・・・)

物凄い勢いで新SpM案と、それを入れる条件を記載してみる。

ノックバック
強制的に敵を(使用者のStr./30)マスだけ後方にすっ飛ばす。すっ飛ばした先にダンジョンの壁などがあれば、残ったすっ飛ばし距離x5ポイントの減衰不能ダメージ(無属性ダメージ)を与える。敵を壁際に押し込んでから使えばStr.120のキャラは20Pの追加ダメージを与える。
モンスターのうち、特に巨大なもの(巨人とかドラゴン類とか)はすっ飛ばし距離1/2、軽量級の奴は1.5倍のボーナスを得る。
すっ飛ばした先にトラップ等があれば、無論その効果を受ける。PT戦闘では石壁メイジに出させてノックバックとかの連携攻撃が熱い!
*フェルッカだとその他のPCも障害となる。その際は飛ばされた奴とぶち当てられた奴の双方に無属性ダメージを与える。


チャージ
槍系の武器のSpM。勢いつけてドーンと体当たり。これはある程度敵との距離が空いている際に用いるSpMで、射程は使用者のDex./30マス。(SpMセット後にターゲットが出て、そいつをタゲると一直線にそいつに突っ込む)
助走距離x5ポイントの追加ダメージを与える(これはダメージに上乗せタイプ。故に騎士道スキルや特攻での倍率対象となる)。命中判定でハズしたら、ハイそれまでよ、と。
騎乗状態でランス使用時のみ助走距離がDex./20マスとなり、助走距離x6ポイントの追加ダメージ。
体の小さいモンスターには効果半減。
また、馬に乗ってチャージ仕掛けてくる場合、敵側が地上に降りてディスマウント等の「敵を馬上から叩き落すSpM」を使用している時に限り、必ずディスマウントの攻撃は命中する(盾ではじく事は可能)


ラッシュ
剣系の武器のSpMかなぁ? 一時的にスタミナ値度外視して最大スタミナ値+30扱いで武器を振り続ける。
5秒くらいで効果が切れると、マナもスタミナもすっからかんになる(つーか、マナ残量/10の持続時間にすればいいのか)。
騎士ならィヤーでスタミナ回復できるけど、マナ無いし(笑)
効果切れるまではHPマイナスになっても死なないとかにすると、ヒロイックかなぁ?


弾道射撃
弓矢系のSpM Dex./20+5までの長射程射撃を可能とする。射撃距離が9マス以上の場合、(射撃距離-8)*6Pの追加ダメージを与える。俺はイギリスのロングボウ部隊の真似事もしてみたいんだよ!


シールドチャージ
盾スキル持ってて盾持ってるキャラ専用。武士盾等の「盾持ってない盾スキル保持者」は使用不能。
上記のチャージとノックバックの効果を併せ持ち、徒歩状態で使用する。
射程は使用者のDex./30マスで、すっ飛ばす距離はStr./30マス。1割ぐらいの確率で「ピヨ」る。
レスリングスキル保持者のみシールド無しでも盾スキルさえあればこのスキルを使用する事が可能。ただし射程はDex./60マス(すっ飛ばす距離は同じ)
つまり、鉄山靠であると。(ラリアットでもアックスボンバーでもいいんだけどさ)


要するに、発動条件や効果が同じ系統であるからSpMがSpMっぽく無いんだよと。
発動条件を狭める(効果的な状況を別途定義する)事ができれば状況判断も生きるし、距離取る事が効果要素になるなら張り付きは行われなくなるだろう。

空腹度を可視化するでござる

さて、今UOに導入しなければならない仕様はバランシングの名の下にあらゆる武器の均質化を計ることでも、市場経済とか訳の分からんものを導入することでもなく、食の改善である事は言うまでも無い。

東洋では太古の昔から「衣食足りて礼節を知る」と言う。礼節=徳の一種であるならば、衣食に関する仕様定義こそが実は徳の実装に先駆けて行わねばならぬ改変なのである。
本来なら性欲も充足するべきではあるが、R-18指定になってもアレなので、それはそこはかとなく無視である。

で、第一弾の改変としては・・・まず、空腹度を可視化するべきであると。
何もターゲッティングした時に「空腹度:3」とか出せって事じゃない。ちょっと小腹がすいた時に頭上に
*ぐー*
とでもメッセ出せばいい。
ここで、貴方は「ああ、腹減ってる。飯食わなきゃ」と飯をほじり出してもいいし、「武士はくわねど高楊枝ィ!」と戦闘を続行してもいい。貴方は自分のキャラを拒食症の人にしてもいいし、必要以上に飯を食う大食漢にしてもいい。メッセが出た後の処遇は各人好きにしろと言いたい。実際これまでも極限空腹状態でずーーーーっと戦闘してた連中が多いソーサリアである。いまさらちょっとやそっとの腹減りで倒れるのはおかしいのである。
と、同時に。
貴方は自分のキャラが「特別であること」を諦めねばならない。貴方のキャラは唯一無二のサイヤ人でも悪魔でも幽霊でもなく、人間、あるいはエルフなのである。システムは冷徹にそのキャラをその種族として扱い、「僕のキャラは腹減らない人なの!」というわがままを言うことができなくなる。どうしてもその設定を重視しなければならないのであれば、順当に何かの回避策(=言い訳)を設定しなければならない。それが面倒だったら普通に「あ、腹減ってるからそろそろ飯にしよう」と発言してしまえばいいのだ。
また、人知れず戦闘中に飯を食い、剣戟などの音にまぎれて咀嚼音を隠さねばならない。
ていうか、そんなもん各人好きにしろと。他人から拒食症と呼ばれる可能性をそんなに事大に考える事は無いと思う。

でだ、この空腹度を導入するとだな・・・

1.一定時間に食堂/酒場等に人が集まりやすくなる
PC酒場でも何でもでかけりゃいいさ。あるいはソーサリアの各所に点在する宿屋やレストランに出かけてもいい。とりあえず一定時間に人を特定箇所に集める事が可能になる。そこで行商するなり武器防具の修繕させるなり、動物のエサ屋でもやればいいのだ。どーせ10分20分ぐらいしか人は集まってないだろう。空いてる時間はもちろん仕込だ!
これはプレイヤー間のコミュニケーションを活性化させるかもしれない。

2.シェフの復権
作り置きの飯が旨い訳無いだろう? とりあえず熱いもんは熱いうちに、冷たいもんは冷たいうちに。料理は時を移さず、だ。安い店探すも、能書き垂れたがりのK原Y山キャラのクラブで説教くらいつつ飯食うも良し。そんなもん各人の好きにしたら良い。
今は狩場と町の間では戦闘関係リソースの補給/メンテナンスしか行われていないが、そこに食の要素を付け加えることができれば、戦士連中に生活のリズムってもんを与えることもできるに相違ない。

3.味を追求したくなってくる
人間はわがままな生き物である。単純にリソースの補給という定義を作ると、リソースの補給を最低ランクのもので済ます可能性が高い。要するに安い店でパン咥えておしまいと。
しかしそこに「味」という概念が加わるのであれば、より味の良いものを求めてその店を訪れる客も出てくるだろう。
今、PC酒場は酒場でしかない。レストランはおそらく皆無であろう。
もしもPCレストランが生まれるとすれば、生産物(=食い物)に高品質タグ以外の何かの要素を持たせ、それがその店のスペシャルであることを喧伝しなければならない。今一部のPCの間ではドラゴン肉の料理というスペシャリテが存在するが、それは残念ながら他の肉を混入させても判別不能になるという弱点を持つ。そこで、効果は何も変わらなくても、ドラゴン肉はドラゴン肉であるとシステムが分類するのであれば、スペシャリテは成立する。実は私もドラゴン肉関係の本とか書いているが、ドラゴン肉=不味いとしている。不味いとしているにもかかわらず、それを旨く食べる為に手を尽くすのが料理人であろう(その実態が「らぶやん」に出てくるジャモジさんみたいな感じだったとしてもだ!)
ドラゴン肉が不味いのであれば、何の肉が旨いのか・・・こういう話は間違いなく出てくる。まぁ、順当に「美味しい」のは豚肉であろう。ソーサリアには落葉樹多いし、豚さんは見事に放牧されているのでかなり旨い肉が取れると見た。もしもプレイヤー側に相応の知識と「妄想エンジン」が備わっているのであれば、秋の豚が旨いとか、冬場のマス、カレイ、春のたけのこ等旬の食材に想いを馳せ、それが旨いと感じる事もできるかもしれない。実際にそれを食して味が再現されなくても、プレイヤーの脳裏に蠢く「経験則」が味の要素を補完するだろう。
もちろん、UO開発側で「何が旨いか、不味いのか」を定義しても良い。

4.食堂を機軸とした経済活動
ぶっちゃけ、ソーサリアでは養豚業者も居ないので、実質上料理屋は皆ジビエ屋さんになってしまう。すると必然的に食材はハンターからの調達となり、そこに(上手くしたら)経済サイクルが発生する。或いは肉屋にジビエ関係のクエストを導入し、そこから料理人が肉を購入するという流れになっても良い。

5.新しい職業「戦闘料理人」
もしも敵を倒す前に「その肉が旨そうか、そうでないか」を探る事ができるのであれば・・・或いは敵を倒した後に料理人としての解体の腕前が必要になるのであれば、戦闘をこなす料理人という職業テンプレが新しく生まれる。彼らはただ強くあるだけでは飽き足らず、如何にして旨い食材を調達するかに長けたプロフェッショナルである。「料理人スキル」+「解剖学」でSpS(Special Slash)として「三枚おろし」「刺身化」「血抜き」「解体」などの技を行使すると。もちろんお馬さんに「刺身化」で止めを刺せば「馬刺し」の完成である。ドレッドホーンを刺身化したら「ドレッド馬刺し」である。
悪魔を何とかして旨く皆に食わせたい・・・そんな面白いキャラができるなら、私は自ら進んでその道を極めてみたい(どう考えても邪悪な人です。本当にありがとうございます)
でも、Doomのタコを刺身にしてやりたいと思った事はありませんか。(私は多々ある)



今、十分に複雑化している仕様を弄くり倒して、今ぜんぜん掘り下げられていないスキルを蔑ろにするのはイカンと思うのである。むしろ今粗略な扱いされているスキルをどんどん掘り下げましょうよ、と。

Story 1 少し改変

城と言っても豪奢な壁に四方を囲まれた荘厳な物とは限らない。
ギラン西部の閑静な住宅地に一軒の武器屋がある。その武器屋が彼の城だ。多くの冒険者がここを訪れ、何がしかの武具を売り払い、何がしかの武具を買い求める。
彼の城は幾分街の中心部から外れ、しかも道筋を案内する看板も無いから訪れる客自体も少ない。
この街には武器屋が二軒あり、繁盛しているのは中心部に近い防具屋の方だ。こちらはどこと交易をするのかは知らないがドワーフ達の持つ盾を高額で買い取る事で有名だ。一日その店の前で待てば、荒縄でふん縛った円形の盾を何枚も持ち込む冒険者たちを数多く見る事が出来るだろう。

話が逸れた。
繁盛していない武器屋の話に戻そう。彼の店があまり繁盛しない理由は幾つかある。
最も大きな理由は品揃えの少なさと、中心部から外れたその立地条件にある。ここで販売されている武器はそれほど特徴的ではないし、なにしろギランは途方も無く広いのだ。(初めて来た冒険者は必ずその街中で迷子になると言う) 
武器屋に向かう途中で迷子になり、魔法の力を借りて街の中心に戻る者も居る。迷っている最中に妖怪のような老婆に会ったり、頭のおかしい若者に会ったり、泥棒に出くわす事もある。そんな閑静な、流行っていない、どうしようもない武器屋に定期的に訪れる風変わりな客が居た。

彼はかなり個性的な格好をしている。
経験を積んだ多くの剣士は軽量で丈夫なエルフの盾を背負い、鉄の篭手、鉄の靴、エルフの鎖帷子に騎士の兜を身に付けている。手にする武器は東洋の剣をアレンジした物が多い。多少意匠は異なるが、多くの場合この装備が最も都合がいいのだ。熟達の剣士はこの装備に魔法で強化を図り、強度を数倍に高めて使用している。これが普通の様相だ。
彼の盾は方形の…円筒を切り取ったような形をしていた。その表面には呪い師が使うようなYの字のルーンが大きく刻まれている。彼の剣は古びた皮の鞘に収められている。真っ直ぐな刀身には油を引いたような文様が浮かんでおり、奇妙な事に鍔、柄、柄頭は全て鉄。
どうやら刀身以外は全て他の古い武器から取り外された部品のようである。古い部品は既に黒ずんでいて、数々の戦いの経験がいくつもの傷によって証明されていた。その剣の柄に古びた革の滑り止めが荒々しく巻かれ、柄頭には下向きの剣のルーン(†)を模した銀の文様が刻まれている。この剣は一般に「ダマスカス剣」と呼ばれるもので、石すら切り離し、硬い甲羅を持つ化け物を殺しても一切傷がつかないという特殊な剣である。別にここでしか売られていない剣ではないのだが、彼は定期的にこの店を訪れ、損傷しないこの武器を何度も買い求める。
奇妙な話ではある。
見たところこの剣士はそれほど経験が浅い訳でもないようである。何者かに襲われて剣を盗まれる事もあるまい。また、この剣は壊れないのだ。それだけはアインハザードに誓ってもいい。魔法でもなければ絶対に壊れない。しかしこの剣士はいつも決まってこの剣を買い求める。落としもしなければ壊れもしない…なのにこの剣士はいつもダマスカス剣を買い求める。しかも念入りな事に、剣を買い求める時はいつも奇妙な注文を付けるのだ。
「鍔、柄、柄頭全て鉄、鹿の皮で滑り止めを巻き、柄頭には下向きの剣のルーンを」
今では鍛冶屋に彼専用の鍔、柄、柄頭を作らせる始末。恐らくこの半年で売り捌いたダマスカス剣の1割は彼の特注になるだろう。

閑静な店の中でぼんやりとつまらない思索にふける。
ある種の天啓を受けた店主は、店の傍らに積んである鹿のなめし皮をカウンターの下におき、特注の柄に丁寧に巻きつけ始めた。そうだ、今度彼が来たらなめし皮の取替えを口実に何で全て鉄で無ければならないのかを聞いて見よう。

2-3日の後、彼は店にやって来た。彼の立ち振る舞いは非常に神経質である。
まず、店に入る。眼だけを左右に動かし、中の様子を確認する。ぶつぶつと何かをささやいた後、真っ直ぐカウンターにやってくる。そして自分の剣をカウンターに置いて一言。
「鍔、柄、柄頭全て鉄、鹿の皮で滑り止めを巻き、柄頭には下向きの剣のルーンを」
既に右手は左の腰の革袋をつかみ、5000アデナの重さを確認している。何でまたこいつは判で押したように同じ動きを繰り返すのだろう…店主は苦笑しながらも暖めていた言葉を口にする。
「こいつも十分に働いたみたいだな。そっちの剣の滑り止めも換えてやろう。お代はあんたの身の上話。いいだろう? フマクトの剣」
彼の愛剣の滑り止めは彼の指の跡がくっきりと残っていた。汗臭いが良く使い込まれた剣だ。滑り止めとは異なり刀身にはひと欠けの曇りも無い。彼はじろりと店主の顔を覗き込み、ゆっくりと剣を手に取った。店主は慌てて言葉を継ぐ
「待てよ、何なら酒も出すぞ」
彼は自分で滑り止めを解き、ぼろぼろの滑り止めを右腕に巻きながらこう答えた。
「酒は飲まない。私が酔うのは強敵との戦いだけだ」

そっけないが、彼と始めての(注文以外の)会話はこうして始まった。

「元々私は騎士ではない。遠く離れた異国の地、貴方は知らないだろうがジェナーテラと言う大陸の草原地帯で私は生まれた」
酒を飲まない「フマクトの剣」に茶を入れ、静かに彼に相槌をうつ。
「私がようやく「フマクトの剣」を名乗る事が許され、最初に受けたカルトのクエストが「マスターサムライ」の探索。その途中でこの地に辿り着いた」
「フマクトの剣と言うのはおまえさんの二つ名ではないのかね?」
「違う、私の所属するカルトの司祭は全て「フマクトの剣」と呼ばれる。私の本来の二つ名は「鋭刃」。ここでは呪いも使えないようだが」
「司祭って…おまえさん剣士だろう?」
「私の祖国では呪いは魔法使いだけのものではない。生活に呪いは欠かせないし、生きることは呪いと共生する事とも言える。そもそも私の神は死と真実の神フマクト。フマクトは呪いだけではなく剣の技も使徒に与える。フマクトの司祭は最も良き剣の技の師と言われている」
「おまえさん…異教徒かい?」
「安心しろ、山羊を生贄に捧げて悪神の降臨を願ったりはしない」

店主はここに来て初めて「フマクトの剣」の笑顔を見た。どうやら心まで鉄で出来ている訳ではないらしい。
「フマクトの教えでは死を弄ぶ物、死を冒涜する物を滅ぼす事になっている。ここで言えばアンデットの破壊やゴーレム類の破壊が神の御心に沿う行動になるだろう。それ以外にも人に害悪を及ぼす存在には下向きの剣を突きつける事になると思うが」
「で、何であんたは鉄の剣に拘るのかね?」
「私の生まれた地方では鉄の剣は少ない…限られた存在…ここに住むドワーフとは異なる種だと思うが、我々の言葉で「モスタリ」と呼ばれるドワーフの一族が極めて少量の鉄の武具を作っている。そしてその高額な鉄の剣を新しきフマクティーに渡すのが「フマクトの剣」の勤めだ」
「宗教上の理由か」
「それだけではない。私はこの地の騎士達に先輩として剣と教えを授けている。宗教とは関係なく。騎士、いや戦士として最も大切な徳目は「意志を曲げぬ事」特に外からの干渉で意思を変えてはならない。このダマスクスは曲げず曲がらず決して損傷する事がないという。私が与えたこの剣によって、己の心もダマスクスの様に強靭な物として欲しい」
「大層な理由だな」
「宗教家だからな」
互いににやりと笑うとフマクトの剣は話を続けた。
「男の心は鋼にも似て磨かねば曇り、涙に濡れれば錆び付いて行く。また、錆び付いた鉄も炉にくべて鍛えなおせば新たな鋼となって再生する。男は常に心を磨き、心が錆び付いても鍛えなおして新たな鋼として再生するべきだ。その教訓をこの剣に託している」
「不屈の精神ね」
フマクトの剣は傍らにおとなしく座っているドーベルマンを見て、腰を浮かせた。
「ラファールが戦いを求めている。そろそろ行こう」
「最後に…もし良ければ、おまえさんの呪いを一つ教えてくれないか」
「いいだろう…呪いの言葉だけだが

真実と死のルーンの主がここに宣言す我、汝の肉と共に魂魄を切り離し、常闇の中、静寂の中に汝を留め置く速やかに去り、死のルーンと共に永劫の眠りにつけ!
霊魂放逐」
閑静な店内に似合わない低い声。呪いを唱える「フマクトの剣」には何か荘厳な気配が漂っていた。死を与える鉄の剣の主は犬を連れ、新たな戦いに赴いていった。また彼は敵を討ち滅ぼし、下向きの剣のルーンの下に霊魂の安寧を計るのだろう。異教徒ではあるが、どうやら悪神ではないらしい。次に彼が来る時には今の呪いを刻んだ刀身を用意してやろうと思う。店主は店先に「Closed」の看板を掲げ、在庫の棚から暫く使っていないダマスカス剣を手にし、旅支度を整えた。
いつもは店にある「刀」を愛用している店主ではあるが、今度の仕入れの旅ではダマスカス剣を使って見ようと思う。

なに、異境の神だがフマクトの恩寵があるさ。

日曜日, 1月 11, 2009

POTの収穫逓減

これにも私が噛みつくと思ってる人がいるらしい。

残念ながら、POTはそもそも回復値にランダム要素があるし、連続でPOT飲み「しなければならない」状況がそうは無いから別に気にして無いと言うかなんと言うか・・・POTガブ飲み戦術使う連中が「UO初心者層に多い」なんて事は多分ないだろうしなぁ。むしろ最初期にPOTガブ飲みと言う某ゲームでの癖を修正する方が良いと思うのね。そう言うゲームじゃないんだよと。
一部の習熟したプレイヤーに多くの知識/対応を求めるのは別に良いんでない?
(ボスソロ連中とPvPマニアぐらいしかこの影響受けないんじゃないかと・・・)

装甲関係で収穫逓減やられると、UO初めて1~2か月でその良く分からない収穫逓減等と言う計算を試みねばならないから「分かりにくいし、それいかんだろ」となる訳で。何でもかんでも収穫逓減だから良くないなんて頭の悪い事ったかねぇ? (言ってるというか、そう取られてしまっているのだろう。私も分かりやすい文章を記載する努力を怠ってはならないって事だ)
もちろん、そういう複雑な算式無しで全部スマートにまとまればそれに越した事は無い。分かりやすいは正義である。AoSで分かりやすい数値が公表されたにも関わらず、数字のでかい小さいだけで一喜一憂してる連中が多い昨今の状況で、今以上に分かりにくい算式出たら・・・絶対仕様を正常に理解できない連中出てくるぞ。親切心から初心者に高ダメージ武器やるようなアフォが居続ける限り、仕様はできるだけ簡素化し、分かりやすいシステムにする方が良い。世間が毒の人や「あなた」の様に、システムに習熟した人ばかりだったら多少歯ごたえのあるシステムでも良いんだろうが、世間様はそういう人たちからすると恐ろしく無知である事に気が付いた方が良い。そしてその世間様を無視するとプレイヤー人口増えないのだ。

んで、収穫逓減システムだが。
TC行って試そうかとも思うんだけど、そもそも戦闘スタイルとしてPOTガブ飲みなんて数えるほどしかした事が無い。一応盾抜き武士が片手武器でPOT飲みつつ闘う方式をとる事が出来るような形にはなってるんだが、そもそも「めんどくさい」戦い方だったんですぐ辞めちゃった(苦笑)
ドレッドぐらいソロで倒してみたいかなぁとも思ったんだが、知り合いとワイワイやる方が楽しくて良い事を改めて悟った訳で。更に言えば多くのキャラがレアをあまり利用しない構成になりつつある昨今、エプロンとかにも興味無いし・・・そうすると別にボス回す必要も無いんだよな。必要のない事の為にキャラクタースロット一つ潰すのは勿体無いである。
また、今回の仕様変更でしっかりとレッサー/ノーマル/グレイターのグレードに関係なく修正できるかも見ものである。レッサー/ノーマル/グレイターを順に飲んだら逓減効果受けないとかだったらクスリと笑っておく。
あと、本当は鬼GEP(G爆弾ポーション)攻撃にも今回の修正入れた方が良いんでない? あれ攻撃速度って関係なくドコドコ投げれるんじゃなかったっけ? PvPではそんなアホな事する奴いないと思うけど、対モンスターに限ればGEPもスタックするようになったんで鬼連射できるのではないかと思うのだが・・・まぁ、爆弾攻撃で耐性付いちゃうとしたら、通常攻撃にも耐性付けなきゃいけないからダメか。システムの一貫性が無くなるね。
・・・・でもそうすると、鬼速度で張り付く白豚に対する牽制にもなるのか。

むしろ今回の修正では、地味にコンカッションがどうなるもんだか・・・この辺に注目している。
ぶっちゃけしっかり読んでないので仕様がどう変わるか全く未知数なんだが、現在のコンカッションは、セットしてダメージ入れるとタリスマンのダメージ上昇効果がキャンセルされたり、「システムデザインが思った通りに動作して無い」機能だったのでこれがどう修正されるのかは興味深い所だ。かなり例外的なシステム処理掛けてると見ている(コンカッションの追加ダメージは装甲による減少も受け付けない)

一般的なLvリングゲームだとして、最初期のステータスが20ぐらいでLvアップで毎回5ぐらいづつステータスが上がるとしよう。Lv1からLv2に上がるとステータス合計値は25%上昇する。しかしLv80ぐらいになるとステータス合計は415になる。Lv81になっても420にしかならん。Lv上がってもステータス合計値は1.2%ぐらいしか上昇しない。前レベルに対する能力の上昇度合いがどんどん低下していってしまうのだ。
収穫逓減ってつまりこれだろ? 何で今更Lvゲーの真似する訳なんだぜ?
(これがレベリングゲームがマゾゲーである所以である。Lv上がれば上がるほど「アップ前の状態に対して」Lvアップによる恩恵が少なくなる。だから昨今のシステムではスキルを導入してその問題点を是正しようと考えるんだが、スキルそのものの数値上昇もこれと同じ様相を示すから、Lv上限を高く設定すればするほど泥沼になる)
現在のUOで収穫逓減させるのって、詰まるところ「補正値」がインフレこくからそんな修正しなければならない・・・そう言う事じゃないの? 実際にはキャップかぶせてるのとほぼ同じ効果が出るんだけど、廃人さんが鬼頑張ると多少は効果ありますよ・・・こう言える余地を残しているとも言える。廃人さんに努力の余地を残しているというか、なんと言うか・・・
今までの歴史を見ても分かる通り、廃人さんに頑張る余裕を与えると、頑張り過ぎちゃって余計な修正を後から行う羽目になる事が多い。
一回ぐらい収穫逓減させてみても面白いかも知れないが、多分廃人さんは頑張ってしまい、相も変わらずバランス崩すと思うんだよね。廃になれる要素残すと、廃が現れてシステムのバランス崩す。要素は残さない方が良いと思う。残ってないと思っていても、どっかに紛れ潜むのが廃人要素なのだから。

素直にカンスト値を低い値に収める修正(キャップ修正)の方が有効なんじゃないかなぁ。プレイヤー側からすると高性能製品の効果が薄れるので喜ばしくない修正だが、今の運営が望む「管理可能な戦闘状態」を維持するには、これが一番楽なんじゃないかとも思う。