月曜日, 7月 03, 2006

これだけは…

これは言っておかねばなるまい。

T-RPGの祖であるD&Dなんだが、別にGMがシナリオを作らんでもいいのよ。シナリオモジュールは結構な数出ている。と言うかバカみたいなシナリオやら(イモータル目指してる奴等用のシナリオあるぞ)、鬼のようなシナリオ(悪名高いフィエンドフォリオはそれらの邪悪なシナリオに出てきたバケモン集めてる訳だし)もある。実際にはGMはそれを多少手直しして使うのが常だけど、別にシナリオ自作する必要ないっス。

しかし、D&Dや初期のT-RPGではシナリオを自作する人が多かった。
何故か?
新和のパッケージが高かったんだよ…orz

D&D関係書籍は輸入翻訳書籍である。私が良く買ってた別冊D&Dマガジンとか3000円ぐらいした記憶がある。シナリオモジュールって言ったって確か2000-3000円だった気がするぞ。6人で遊んで一人頭4-500円かいな。それだったら俺がシナリオ作っていい昼飯食おうぜと…当時高校生ぐらいだった連中が考えるのはむべなるかな。これが後々変な風に解釈され、T-RPGではシナリオを自作するもんだという風潮が生まれたっぽい。いや、実際自作しましたけど。それどころかバリアントルールとか勝手に作ってましたけど。
その辺考えて、Sword Worldとか企画されてんだよね。各種の単価を下げて当時のメインターゲットであった中高、そして大学生辺りを引っ張ると(この戦略はメディアワークス版のD&Dにも引き継がれた。T&Tもこの系統)。これに比べたら基本ルールセットにプレイヤーズガイド数冊、モンスター本(私が最初に「買った」のはモンスターコンペディウムだった気がする)、ネタ本(オフィシャルD&Dマガジンとか、RPGマガジン、ドラマガ、ウォーロックなど)…こげに投資しなければならなかったD&D系はどうしてもシナリオに金払う訳には行かなかったのだ。それに私なんかダルマ屋模型店(その道では知られた老舗)でメタルフェギュア買わないといけなかったし。いけなかったしと言うか、随分集めてたし(うちの仲間内ではフロアタイルとフィギュア使ったタクティカルコンバットが主流だった)
後にモデラーだった経験を活かしてシタデルやラルパーサと同サイズのフィギュアをエポキシパテで作成したりもした(しかも八頭身で! 金が勿体無いから!)。 あのサイズの顔にニヒルな笑みを入れる事が出来た昔の自分のウデと視力が懐かしい。後にシリコンで型とってホワイトメタルで再整形って所までは到達。
こんな事してたから、シナリオなんて変えなかったのである。実際には余りの値段の高さでもにょもにょ…と、まぁ、その辺はアレである。暗黒時代ってことで。

なお、BGはAD&D 2版とか基本ルールにしてるらしいが…
今どーなってんだその辺?
D&DにはアドバンスドD&D(AD&D)と言う別ゲームがある。そもそもの発達過程が既に30年近く前なんで私も流石に詳しい事知らんのだが…確か初期D&D(赤箱以前。そもそも赤箱がD&D 4版)はAD&Dに似たルールか何かで、それを判りやすくまとめて赤箱(と、通常呼ばれている普及版D&D)が出て、それとは別に精密なルールを残したAD&Dが出て、暫くそれらが独自進化して、最近は統合されたって話じゃなかったかと。
(最新のD&DパッケはD&D3eだった気が。AD&D 2Eって随分前の話なんじゃ…それ以前のAD&D知ってる奴の方が珍しく無いかえ? …と思って調べたらAD&D 2eは1989年発売だった)
で、世間で多くプレイされてたのはD&Dの方で、AD&Dは翻訳書籍とかそれほど多くなかったような、な、な。
D&DがUOで言ったら通常シャード、AD&Dがハードコアシャードみたいな感じか。
ちなみにこの頃から古参が若い衆を「こンのバカもんどもがぁ! そもそもD&Dと言うのはだな…」と講釈垂れる光景が散見されていた。
UOにおけるコンビニ組やAoSデビュー組に対する古参の揶揄とか「そもそものXXXX」と文句を垂れる光景、これはRPG業界の典型的光景であり、その意味で私はこの古参連中の繰言を余り重大視していない。
だって、能書きこいてサークルとか規模縮小させてたのってこの層なんだもん(笑) 個人的には「まーたこの手の手合いがバカこいて市場をぶち壊すんだろうなぁ」と呆れ気味。
先にフォローアップしとくと、そういう時代にもきちんと先見の明と市場を見据えた導き手が多数存在し、だからこそT-RPGは今の世でも何とか生き延びているのである。
当時も若い衆の動きを見てT-RPG業界もうだめだぁ…とか、D&D終わったとか言う奴は居た。しかし実際D&Dだけみても新和からメディアワークス、そしてHJと色々場所を変えながらしつこく(爆笑)生き延びているのだ。連中の悲観論ほど当てにならないものは無い。


大貫氏(D&Dの普及とT-RPG業界の普及に尽くした神。既に鬼籍)だかが面白い事言ってて…ダンジョン最深部にぴかぴかの鎧着た味方系NPCがやってくるのがD&D、駆けつけた味方NPCがフィールドプレート(鎧ね)にびっしり汚れを刻んででけーバックパックを背負い、ひーこら言いつつしっかりした足取りでやってくるのがAD&Dだって(苦笑)
D&Dのルール自体知っている人は判ると思うけど、あのルール正直単純な上にどこまで追加ルールを導入するべきか悩むので(後の方でセービングスローをステータスで修正するルールとかあるぞ)、コンピュータRPGとかに余り向かないんじゃないかと。AD&Dの方が向いてる気がする。実際にT-RPGとして遊ぶ際には煩雑だった各種のデータ管理がコンピュータにまかせっきりに出来るので楽では有る。良くD&D関係のコンピュータゲームみてみると、D&D基準のゲームが少なくAD&D系統が多いのが判ると思う。当時の事を知る連中の中にはD&Dはお子様向けで、AD&Dが味わい溢れる大人向けと言う刷り込みがあるのだ。ヘビーなゲーマー過ぎてそっちの方面に足突っ込んだゲームデザイナーやプログラマがAD&Dを題材として選択するのはこういう要素もあると見た(まぁ、背景世界がきっちりしてて、そっち方面の負担が少ないのもあると思うが)

まぁ、そんなAD&Dでもサイオニクスとか訳判らん追加モジュールがあり、それ入れるとそりゃーもーシナリオが楽しい物になるらしい。(超能力で敵の脳焼いたり、洗脳支配できたりするらしい)


D&Dが出てから既に30数年。
最初期のD&Dが販売されたのは1974年だという。(日本語版が出たのが1985年だってよ。私がT-RPG始めたのが1987年ぐらいじゃなかったかな?)
その日本展開を見てきた身として、できる時には可能な範囲で過去の事も後進に伝えておきたいなーと思う(もう、人生の半分以上RPG方面に傾けてきたからな!)。

これからも、色々な「その方面の人々のアレとかソレ」を見続けながら、「ほんと、人って変わらないよねぇ。良くも悪くも」とひとりごちたり、納得してみたりするのだと思う。出来る限り私が見てきた古参の愚を繰り返さないようにしたいと思う。

ただ、一点いいかな?
Citadelはシタデルであり、シテデルではないわっ!
昔っからメタルフィギュア関係の老舗にラルパーサ、シタデル、グレナディアという会社があってだな、CITADELはシタデルと訳されるのが定説であり(ウソだと思ったらエキサイトで翻訳かけて見れ!)、そもそもの意味は城砦とかそんなのだっだっだっだ!(マルチ残響音含む)
もーなー。
このCitadelをシテデルとかしてるの見るとほんっとーに頭に来てだな。
ここまでゲーマーの基礎素養がダメな子になっているかと思うとかなしゅーてかなしゅーて…(と、こういうバカな事を言ってると、周囲の信頼とかその辺を失うので適当な所で切り上げると良い:笑)

追記:
D&Dのシナリオモジュールは伝え聞く限りではかなり出来がいいらしい…諸般の理由による翻訳の問題は置いておくとしてだが…しかし一本2000円前後! それに比べて富士見のSWシナリオ集とか文庫サイズと価格(つまり、1000円以下)で5-6本だかシナリオ入ってるからなぁ…コストパフォーマンスは比較にならない。
でも、正直SWは本体ルールとモンスター関係のオプションセットしか買わなかった様な。
そりゃ、SW売れるわ。

6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

D&Dについて色々調べようにも、情報量が多すぎて結局サジを投げてしまうんですよ。
とりあえず「BGIIはAD&D 2Eで今じゃ通用しないルールかぁ」と割り切ってプレイしています。IWDは3Eになっているらしく、コレはコレで別物だそうで…もう勝手にしてくれと(苦笑)

しかしまぁ、「T-RPG=シナリオ自作」なイメージは強いですな。そんな裏話(?)があったとはっ!

Wildcat さんのコメント...

3E版のAD&Dは無いんだ。3EでD&DとAD&Dが統合されてD&D3Eと言う扱いになっているはず。逆に言うとAD&Dの2Eは最新最期のルールじゃないのかと。
今は3.5Eでしかもシステム全体がd20システムと言う形式に変わったと聞く。d20システムはMMORPGとかで言うQuake engineとかアンリアル エンジンと同じ駆動形式だと思いねぇ。

逆に言うと、30年続けて大きな変革は最初期のD&D、その後のAD&DとD&Dの分化、再統合、販社の変更ぐらいしかないなんて…
D&Dシステム変わらなさ杉。しかし販社はころころ変わり過ぎ。(HJが今メイン張ってるとは知らなかった)
Rune Questだって私が遊んだ事のある第三版の後に簡易版のRune Quest 90が出て(これは買った)、その後にRune warsやHero Questと、まーなんと腰の落ち着かない事であるか!

匿名 さんのコメント...

なるほど…D&Dが分岐→AD&D→統合してD&Dですか。まぁ、実際に触れないとサッパリですわ。何だかんだ言ってもゲーム、遊んでみないと何も分かりませんね(汗

匿名 さんのコメント...

学生時代は「AD&D 2nd(AD&Dの日本語版はこれが初めて)」はルールがまとまりすぎてる! という理由で「AD&D 1st」の方をプレイしたのを思い出します。

D&DもAD&Dはルールの体系化が見事で、自分でルールを作るときも色々と影響を受けそうになったのを思い出します。

いずれにしてもプレイに最低限必要なセットを揃えるだけで、ひと財産でしたね。「フォーガトンレルム」とか見てみたかったのですが、小説しか見たこと無い・・。

flamwolf さんのコメント...

>Vessel氏
お前は俺かとw グイン・ワールド(LtoRのグインサーガ版)をやったのが87年だからほぼ同時期だし・・。
細かいところは違いはあれど、あのブームの時期にTRPGにハマった連中って、食費を切り詰めてまでもゲームしてるよね。新和版D&Dが4800円。トラベラーでも3500円。TAC誌780円。ウォーロック誌480円。どう考えてもお小遣いが足らないんだよな・・。

ちなみにO貫遺産がどんだけ凄かったかというと、彼が立ち上げた会社ORG(代表作WARPS、ダブルムーン伝説)は後にデジモンカードゲームやベルアイルの初期企画を手がけています。

Wildcat さんのコメント...

> お前は俺かと(ry
ぶっちゃけ、俺とかTOSさんとかフラムはほぼ同時期にT-RPG触れてると思うよ。なんか傾向似てるし。