月曜日, 3月 27, 2006

判りにくさについて

えーっと…こっからLink飛ばすべきか否か未だに悩んでいるので、まずはLink無しで話を進めよう。

漸減案とかの部分で、確かに私は「初心者がわかりにくい」と言う話をした。それについて「ヤングの時代からそんなもん理解せんでもいいんじゃないか?」と言う話が出ていた。この辺について少し語ってみたい。


判りにくい事は、別段問題ではない。
いきなりこんな見出しでなんだけど、そもそも判りにくい事はそんなに問題とはならない…考えれば現在のUOの抵抗にしてもそうだし、命中回避に関してもクソ面倒な算式があるのに「基本的には」問題となっていない。
UOだと判りやすいので諸兄の為に別の例を出すが、D&DなんかだとTHAC0(To Hit AC0)と言う概念がある。AC(アーマークラス)0に対して20面ダイスでいくつ以上出せば命中するかって値なのだが、この算出基準とかそういうモノはUOerにとって未知であるだけに「難しく」見えるだろう。
難しさには種類がある。
一つは専門用語とかその辺に起因する難しさ。
もう一つは概念把握の難しさである。
実際、大体のゲームにおいて「難しい」と言われるのは専門用語その他に起因する問題で、大体の場合、プレイヤーが参照しなければいけない数値なんて加算減算レベルの算数レベルの問題でしかない(掛け算などが入っても、最終的な数値に対して一回だけ掛けたりする程度)。もしもそれ以外に可変要素があるなら…何か見やすい計算式とかを添えるのが普通だ(RO等では複雑な計算式は与えず、最終的な攻撃速度その他をキャラクターのプロパティー画面で提示している)
そもそも多くのゲームでは「大きい数出せばいい」とか、そういう大前提がある。その部分さえ知っておけばとりあえずプレイヤーが目指すべき物は見えて来るわけだ。

私が思うに…漸減案は見た限りでは「加算式」の様に見せかけ、その実「ある閾値を超えると数字がそのまま加算されない」と言う「直感的把握を妨げる」算出形式になっている。直感に反する操作をさせるから概念把握が難しいのだ。 先に挙げた例だと、とりあえず大きな値を目指しておけばOKという非常に簡単な現状認識から「数値の上げ幅がリンクしない」という事実を知った時に混乱が発生すると思うのね。それだったら「これ以上はあがらない」というキャップシステムのほうが理解はしやすいと思うんだ。そこで段階的減小だのなんだの入れると「どこまでやりゃいいんだか」となってしまう。
実際、プレイ経験があるものなら「これぐらいあれば大丈夫」という閾値は理解できると思うが、それをいきなり初心者に求めるのは酷だろうと思う。

そもそも抵抗値なんて比較的初期段階で考えねばいけない部分だろう。その初期段階で「基本的に足し算をすればいい」と思い込まされてたら、実は違いましたというのでは少々問題あると思うのね。
ARなんて比較的初期の段階で(現在は)頭打ちになるパラメータではあるし、実際初期の頃は非常に重要なパラメータになっている。そこの部分でいきなりマニア向けととられても仕方の無い複雑なシステム見せ付けられたら、そこで戦闘あきらめちゃう人増えないか?
概念的な理解のしにくさと言うのは、こういう部分で問題となる事が多いように思うのだが。


わかりやすい複雑さ
本当に求められているのは「わかりやすい複雑さ」だと思う。
それは直感的な把握が可能な煩雑さというものであり、複雑化しても十分初心者が「常識的に」許容できる範囲の複雑さということになるだろう。
例えばUOでは武器を扱う技術が数種類ある。剣の扱いに慣れた達人であっても、彼が一度槍を持てばペーペーと変わらぬ命中率しか保てない…そこでシステムはこう語りかける「剣での戦い方と、槍での戦い方は別種のものだ」と。これはこれで模式的に戦闘というものを表しているもので、決して現実的とは言えない。扱う武器が異なろうとも戦闘のカンというものはあるのだから、ある部分ではそのカンを他の武器攻撃時に受け継げてもいいとは思う…しかしある部分ではプレイヤーはそれをシステム的な制限とみなしつつも「常識的に」受け入れることができるだろう。この辺はある部分で煩雑であり、複雑でもあるのだがプレイヤーの常識がそれを補完し、理解を助ける。
ちょっと前にMrTact案で「鎧を着こなすのにスキルが必要なことはおかしな事だろうか?」というものがあったが(武器学の利用法に関する提言)、それ自身はシステムとしてアリだろう(MoEではそのものズバリがあるし)。その頃私もそれに乗じていーかげんな案を出したが、であれば回避に関わるスキル等を導入してもいいと言う事になる。それもある部分では常識に照らしてプレイヤーは受け入れることができるであろう…まぁ、システムが恐ろしく難解になってバランス取りが厄介な事になるのは目に見えているのだが。
しかし、1+1が2にならない…これは明らかに常識の範疇から逸脱する。例えば4+4が8にならず13になるという為には、最初期にそれが5進法であると明記しなければならないのだ。漸減案をもし導入するなら、この様な「最初に断っておくこと」を忘れてはならない。
そりゃUO世界に慣れ親しんだ人間(私やあなたの事だ!)は素地があるから理解も早いだろう。
しかし、我々UOマニーと新しいソーサリアの住人を一緒くたにしてはいけない。そして…ソーサリアに移住して割とすぐに「漸減案」なんて物出したら、正直初心者は「難しいなぁ」と思うだろう。
自分にできるから、誰にでも簡単にできると思い込んではならない。
複雑化すれば確かにいろいろな意味での「深さ」は増すが、何の考えもなく「理解しにくい複雑さ」を増やすのはシステム全体の把握を防ぐから慎むべきであろう。システム全体を俯瞰しやすく、それで居て皆に直感的に理解できる程度の「理解しやすい複雑さ」

これが今のUOシステムに必要なものだと思う。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

 うーん、釣られた(失礼)のは、氏の方か……私の書き方が悪いのだが……
 いや、本来、私が批判したかったのは、”初心者をダシに(した漸減案の批判を含め)”をする人の方だったのですが(後の文で全然、関係ない方向の批判になってるでしょ?)。
 ま、それは私の文才の無さなので(すみませぬ)。
 私も、キャラクターのユーザー情報としては、漸減案は駄目な方と思います。

 それはともかく、実際の所、現在でもUOって、見える数値が、わかりにくくなりすぎ。
 UO初期のコンセプトが、現在のUOの形を、足引っ張っちゃってると思うんです。TCのキャラクターの内部数値表示システムを、本シャードに今だに入れないってのは、それが原因と思うし。
 やっと、BUFF関連の表示に手を入れるようになったということは、いよいよ、過去の切り捨てに入っているのかなぁと……
 ……にしては、基準を過去に戻したりして、現開発陣に対するプレイヤーの意見が割れるのは当然かも(生殺し状態だし)。

 ゲームであれば(分類問わず)加算減算のみで構成するのが理想(飽和しやすいから、難しいんだけど)。
 直感的で、プレイ中、他に集中できるし。
 現在のUOでイヤなのは、一部、百分率で情報を提供してる所。
 最終数値の結果を出すまでは、加減算であるものの、アレこそ、初心者がわかりずらいよなぁ、と思ってたりします。

 いずれにしろ、漸減案にしろ、熟練度にしろ、苦肉の策なんですよね。
 やるんなら、ガバッと革新してしまえばいいのにとは思うけど、世情等事情を考えると出来ないのもわかってるし、新しいものを作らなければ、仕事にならない。
 だったら、結果が成功にしろ失敗にしろ、形にしてしまう方が、手っ取り早い。
 だから、出る案出る案に批判をしすぎると時間だけ消費して、結局、次に進めない。
 もしかしたら、机上だけでは面倒だけど、実際にはわかりやすいかも知れないし、都合が良いかもしれない(新しいものに対して、私は、ここに希望を持つ)。
 
 どうせ、(前例がない、社内事情、立場、プライドetc..で)過去に戻る可能性は限りなく低いのだから。
 やることやって(あがきをして)、(すべてが)終わるのもよし、成功すればよし、半成功でもよし。
 結果を見ないと、誰もが、永遠に生殺しなんですけどね。

……長くてすみませぬ。

匿名 さんのコメント...

……というか、指名がないから、釣られてるのは、私か。とほほ。

Wildcat さんのコメント...

いや、釣るも釣らんも…
時たまこのBlogはユニークヒット80とか言うファンキーなHit数稼ぎ出すので、その悪影響を懸念しての配慮だったのだが。

flamwolf さんのコメント...

パラリ見て思ったんですが、これ熟練ポイントによるキャップ制限と考えるからおかしいんじゃないかと。

熟練度を使ってキャラクターに「特長」を与える仕組み、ですよねぇ。
火の呪文が上手とか、マナが回復しやすいとかそのキャライメージにあわせて追加能力を得るというのであれば、皆納得するんじゃないでしょうか。
(そうなるとEQ2の特長&種族の知恵のパクリだと思うんですが)
そこに、アイテムプロパティのキャップとか絡めるから分かりにくい。
アイテムプロパが行過ぎているというのならば、修正はアイテムに対して行われるべきです。2日かかってもいいですから全アイテムを書き換えるくらいのことをしてもいいんじゃないかと。

旧アイテムの都合が悪いのであれば、何がしかの要素を加えて破壊される方向に持ってゆき、最終的にワイプアウトするのが一番だと思います。
リングなどに耐久度を与えるのもいいですし、キャラクターにバインドさせてそのキャラ以外には使えない(または性能が下がる)ようにさせるのもいいでしょう。
そのキャラが使う分には失われないが、長期的に見ればいずれ失われるような仕組みを作ってゆかないといけないんだと思いますよ。

他ゲームから学ぶのはいいですが、もっと根っこの部分を噛み砕いて欲しいものだと小一時間(略