金曜日, 10月 28, 2005

Nescaの話 第三幕

既にStory番号を追わなくなった…マジで何番だったかな?

Story X.2

ぎおんしょーじゃのかねのこえ しょぎょーむじょーのひびきあり
*ボワーン*
意味も判らない言葉を呟きながら、ネスカは街道を歩いていた。
サムライスキルを達人位まで極めては見たものの、それだけで何とかなる甘い世界ではなかったようだ。
確かにサムライは強い。
シタデルのような敵がボコボコやってくる場所でも、ペインテッドケイブの様に敵が群れ成し襲い来る場所でもそれなりの活躍をする事が出来る。いやむしろそういう敵に囲まれた時にサムライの真価が発揮される…のだが…
逆に強大な敵一体との戦いでは余りに地力がなさ過ぎる。
パーフェクションで波に乗れるのはあくまで敵の技量がこちらを下回る時。
互角以上の剣の腕を持つ敵には余りに無力!
火力を強化せねばなるまい。

そんな折にふと目に付いたのが以前取得した聖騎士の教えの書。
そう…これなら…
しかしそこからが苦難の始まりだった。
既に忘れて久しい騎士道を再習得する為の努力は並大抵のものではない。
己の「器」は既に一杯一杯で…已む無く彼は魔法防御の技術を頭から捨てる事を決意した。
また別の技術でその穴を塞ぐしかない。

彼は馬に跨り、街道を歩いた。
襲い来る敵に対して無防備に歩いて近付き、すれ違い様に刀を一閃。
敵からマナを吸い取り、再び歩を進める…何事も無かったかの如く。
そうして貯めたマナを用いて破魔の呪文を唱える。
*ボワーン*
さるにても。如何なる人にましませば。
我を慰め給ふらん。御名を名のりおはしませ。
*ボワーン*
 今は何をか包むべき。 
 我此山に年経たる。
 黄泉坂の民は我なり。
*ボワーン*
  君兵法の。大事を伝へて山人(やまんど)を亡ぼし給ふべきなり。
  さも思しめされば。明日参会申すべし。
*ボワーン*
さらばといひてヒーラーは。
黄泉が谷を分けて雲を踏んで飛んでゆく
立つ雲を踏んで飛んでゆく。
*ボワーン*

意味も判らず修行時代に暗誦していた歌を口ずさみながら街道を行く。
姿形はサムライでェ、歌う小唄もトクノ唄。
しかし唱える呪文はルナの古伝である辺りが良く判らない。時にソーサリアの住民は奇妙な組み合わせや奇抜な装束を好むものではあるが…これは怪しい。

今日も今日とてネスカは歩む。
怪しげな歌を口ずさみながら…


筆者注:
途中の唄は「鞍馬天狗」(TVのじゃなくて伝統芸能の方ね)の中の奴を改変したもんです…
鞍馬山で大天狗(鬼一法眼)から牛若丸が兵法習うシーンですな…

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